ファウリングとは、器材の内部に不要な物質が堆積する過程のことを指します。熱交換器を運営するにあたって最も重要な問題であるファウリングは、非常に複雑な現象なので誘因を一つに絞ることはできません。

これは非常に複雑な現象です。

それでも、大きく分けて無機物の堆積による問題と有機物の堆積による問題に二分できます。

原因となりうる無機物

  • 浮遊粉塵・砂塵
  • 水中の沈泥
  • カルシウム・マグネシウム塩
  • 酸化鉄

原因となりうる有機物

  • 生体物質
  • 油分・グリース類
  • タールなどのポリマー
  • 炭素強化 プラスチック

ファウリングは以下の面でコストパフォーマンスに影響を及ぼします

  • より大きな表面積を持つ熱交換器が必要になる
  • 電気、蒸気などのエネルギー効率が悪化する
  • 生産の中断が起こりやすくなる
  • 洗浄の費用が増加する

対応しなければならないファウリングの種類も多岐にわたります

  • より大きな表面積を持つ熱交換器が必要になる
  • 結晶化によるファウリング
  • 化学反応によるファウリング
    • 伝熱面が化学反応の助触媒になる
  • 腐食によるファウリング
    • 伝熱面と液媒が反応する
  • 微生物的ファウリング
    • 伝熱面に微生物が付着する
  • 凝固によるファウリング
    • 伝熱面が液媒の融点より低いため液が凝固する

ファウリングの進度は、伝熱面上の沈殿物の剥離率を堆積率から引いて計算します

時間の進行になぞった熱抵抗性の増加については下のグラフをご参照ください

熱伝導性の低下率はファウリングの類型によっても変わってきます

ファウリングの進行に影響を与える条件はいくつかあります

  • 流量速度
    • 大きな影響があります。液流速度が高いほどファウリングが起こりにくくなります
  • 表面温度
    • ファウリングの種類にもよりますが、一般的には温度が高いほどファウリングが起こりやすくなります
  • 伝熱面の素材
    • 重要な効果
  • 表面粗さ
    • より良い表面仕上げ遅延ファウルと容易なクリーニング
  • 流体の特性
    • 粘性は重要な役割を果たす(低粘度は、より遅い汚れにつながる)
  • 不純物および懸濁された固形物
    • 上流のろ過をインストールすることは経済的です
  • 熱伝達プロセス
    • 汚れは、冷却、加熱、沸騰、凝縮のために異なります
  • 設計上の考慮事項
    • より多くの汚れた流体をチューブ側に置く

以下のグラフは、ファウリングが起こっている伝熱面と起こっていない伝熱面の熱伝導性を比較したものです。

以下のグラフは、ファウリングが起こっている伝熱面と起こっていない伝熱面の熱伝導性を比較したものです。冷媒の温度を140℃まで引き上げるのに蒸気を用いた例です。

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