肥料の中でもグラファイト器具と特に密接な係わりを持つのが製造過程において腐食性の高い媒体を必要とするリン酸塩系の肥料です。

リン酸塩系の肥料は陰イオンPO43+を含有する鉱物を素にしています。このような鉱物を砕いて直接農地に散布することもまれにありますが、ほとんどの場合では化学的な工程で鉱物から採り出した水溶性の高い塩を使用します。リン酸塩岩とよばれる一連の鉱物からリン酸塩を抽出するのが最も一般的ですが、含有されている成分は主にフッ素リン灰石[Ca5(PO4)3F]と水酸化リン灰石の二種類があります。これらの成分を硫酸や硝酸と反応させることでリン酸塩ができます。この工程が工業的な肥料生産の主流となっているのは、溶媒の硫酸や硝酸の安価さが故ですが、これは現在全世界で生産される硫酸・硝酸の使用目的の第一位が肥料生産であることからもうかがえます。

リン酸塩の凝縮過程にはグラファイト製の多管円筒式熱交換器のうち最大クラスのものを使用します。この工程で利用する器材には、液媒中の粒子による浸食に対抗できる素材の使用、流液部の漏れに備えた防腐食加工、管接合部の除去、ファウリングに強い管の採用、液流速度の増加などといった機能面・設備面上の工夫を施す必要があります。

利用できる製品

GT DISC
GT BLOC
GT TUBE
GT CUBIC
GT PLATE
GT TOWER (リン酸の精製に使用 )

利用できる素材

GT FLON
GT KELITE+

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